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2011.06.14 Tuesday / - / スポンサードリンク

覗きこむ奥に。

深い深い海の中、蒼い王国のお城と街に、
波にのせたベルの樹のやさしい音色が聴こえてきます。

朝の海を彩る太陽が水を透かして煌めき揺らぎ、
白い貝殻から焦茶色の林まで全ての色が浮き上がり、
波にそって踊る光に住人たちも次々に起きだして
ほどなく街の白い砂の広場やお城の珊瑚の大広間は
かきわけられた小さな泡が渦をまく微かな水音たちと
幾重にも重なった綺麗な歌声でいっぱいになります。

深い深い海の中、今日もまた一日がはじまります。

見上げる先に。

大きな大きな雲の上、真白い王国のお城と街に、
風に踊るベルの樹の涼しげな音色が届けられます。

朝の風に誘われた太陽が東の雲の山脈から顔を出し、
空は夜明け前の淡い紫色から青へと染まっていって、
窓から射し込む光に住人たちも次々に起きだして
ほどなく街の白い大通りやお城の薄ピンクの大広間は
ふかふかの地面を小さく巻き上げる軽やかな羽音たちと
交わされる楽しそうな話し声でいっぱいになります。

大きな大きな雲の上、今日もまた一日がはじまります。

隠れ家の話

大きな街の中、一際高い建物のかげに
小さな子供が造った小さな隠れ家がありました。

それは造られたその日のうちに
建物の掃除を仕事にしている大人に
綺麗に解体されて片付けられてしまいました。



深い森の中、細い道からずいぶん離れた場所に
小さな子供が造った小さな隠れ家がありました。

それはずっと誰にも見つかることはなく
造った子供もそのうちたどり着く道を忘れて
やがて森の樹々たちにのみこまれてしまいました。



村から少し離れた大きな空の見える丘の上に
小さな子供が造った小さな隠れ家がありました。

仲の良い友達やたまたま通ったいきものが
気まぐれに、もしくは誘われるままに訪れるその場所は
とても心地良い、素敵な隠れ家になりました。